ニンフ 1
俺はつくづく自分を夢のない人間だと思っている。人生はすべて計算によって成り立つべきもので、直情径行的に動くものではない――そんな現実的なことをよく考えていたものだ。
夢はあるか? と聞かれたら、正直にないと答えるだろう。そんな非現実的なことを考えている暇があるならば、内申を稼ぐために勉強でもしたらどうだ、とこれまた悲しいほど現実的なことを言ったりする。
そんな俺にだって、小さい頃は夢があった。野球中継でここぞという時に選手がホームランを打つと、「すげえ! 俺も○○選手みたいになる!」なんてことをその場の成り行きで言ったりしたものだ。しかし、俺はどうも飽きっぽい性格らしく、そんな願望も長続きはしなかったが。
そんなこんなで年を経る度に、俺は現実的に物事を考えるようになった。人と付き合う際は温和になることに徹し、気配りにも精を出し、気付けば俺はみんなのまとめ役に抜擢されるようになった。
читать дальше 俺はこう見えて、顔も良いし、勉強やスポーツもそこそこできるし、中学時代、俺は晴れて彼女を作ることに成功し、なかなか悪くない日々を送ることに成功した。
波風立てず、日々の努力を積み重ね、凡々と過ごしていく。それが俺のスタイルになっていた。
そんな俺にも、夢を持つことへの憧れがないわけではない。夢に向かって走っている同級生の奴らなんかを見ていると、羨ましく思うこともあるし、たまには感情的になってやりたい放題やってみたくもなる。けど、なんというか、俺にはそういうのは不向きみたいだ。
感情のままに動こうとしても、どうしても無意識的に客観的な位置に回ってしまう癖が俺にはあった。
俺は日々平凡な生活を過ごしながら、水面下でそんな悩みを抱えていたんだ。
俺にも夢を持つことってできるんだろうか。誰かに――神様にでも、問いたい。
лексика, грамматика直情径行 | ちょくじょうけいこう | Порывистый, прямой |
非現実的 | ひげんじつてき | Нереальный |
内申 | ないしん | Неофициальный доклад |
中断 | ちゅうだん | Перерыв, приостановка |
盛り行く | もりいく | Собраться с силами |
飽き | あき | скука |
願望 | がんぼう | Желание |
物事 | ものごと | Дела, вещи |
温和 | おんわ | Мягкий, кроткий |
徹する | てっする | Проникнуть, пронизать |
波風 | なみかぜ | Волны и ветер, буря |
凡々 | ぼんぼん | Обычный, заурядный |
憧れ | あこがれ | Обожать |
奴ら | やつら | Они |
羨ましい | うらやましい | Завидовать, завидный |
感情 | かんじょう | Чувства, эмоции |
客観的 | きゃっかんてき | Объективный |
水面 | すいめん(か) | Поверхность воды (~下に под водой) |
1) べき(べきではない)следует, нужно сделать (моральный долг, необходимость по зову сердца, в отличие от ~なければならない). Не употребляется после отрицательной формы. В случае отрицания отрицательная частица ставится в конце предложения.
Vる+べき
もう行くべきだ。Уже пора идти.
そんな時に笑うべきではない。Нельзя смеяться в такой момент!
2) っぽい похожий на, имеющий свойства чего-то (оттенок негативного значения)
Vます形 +っぽい
N+っぽい
水っぽい味噌汁 водянистый (жидкий) суп мисо
怒りっぽい легко раздражающийся
子供っぽい ребяческий